守るべき経営方針

創業直後に「お客様が第1、従業員が第2、株主が第3」という経営方針を決め、頑なに守り続けてきました。
アリババに誰がいくら投資していようが、事業が困難に直面しようが、大成功しようが、中小企業のお客様が最優先という方針を曲げたことは一度もありません。

国外進出成功への3つの条件

国外進出で成功するには、3つの条件があります。
第一に事業の地歩を着実に築くための時間。
第二にチャンスをつかむ勇気。
第三に困難に耐え自分をレベルアップできる持久力です。
この3つを備えていれば、中国に限らず、世界中どこへ行っても成功し、強いブランドを築くことができると思います。

商業文化のあり方とは

商業とは本来、社会全体の発展に貢献すべきものであるはずです。
この本来の目的を取り戻すため、商業文化のあり方をもう一度根本的に見直すときが来ています。

日本の中小企業へ

これまで日本国内で成功していた企業であればあるほど、自社の決まったやり方や固定観念にとらわれる傾向があります。
日本という国からは出たけれど、自分の殻からは結局抜け出せていない。
成功体験を持つ企業は、往々にしてそういう性質を持っています。
その意味で、私は日本の中小企業に期待してます。
国内では成功したとはいえなくても、海外市場に打って出て成功をつかみたいという強い意志を持つ会社です。

理想のブランドへの探究

重要なのは、20年後、アリババがどんなブランドになっているかです。
現在のブランドと、将来あるべきブランドの間には大きな隔たりがあります。
理想のブランドをつくりあげるには、まだ10から20年の努力がいると覚悟しています。

アリババの理想的なイメージ像

人々がアリババという名を聞いたとき、「イノベーション」「希望」「情熱」「誠実」というイメージを思い浮かべてもらえるようになりたい。

ブランドに必要なもの

ブランドは名前を知っているとか、製品を持っているとかではなく、多くの人がブランドに接して、喜び、親しみ、尊敬などの前向きな印象を抱くことが必要です。

B2Bの事業コンセプト

私は米国のB2B(企業間取引)のビジネスモデルをそのまま中国に持ってきたのではありません。
米国のB2Bはもともと、大企業間の商取引の省力化が狙いでした。
一方、私は起業家精神旺盛な中小企業の経営者が、商売を広げるためのツールとして、インターネットを活用できると考えました。
B2Bという言葉は同じでも、事業コンセプトは似て非なる独自のものでした。

ブランド構築で大事なこと

ブランドをつくりあげるのは時間と経験の蓄積です。
知名度を上げるなら簡単なことです。
いくばくかのお金を使い、注目されるようなイベントなり話題なりをぶち上げれば、たちまち人々の知るところになります。
しかし、真のブランド同士の競争とは、生き残り競争でしょう。
短期的な知名度の違いは重要ではありません。

社会的な問題とビジネスの関係

社会的な問題が大きければ大きいほどビジネスのチャンスも広がる。
アメリカはショッピングの環境が整っているが、中国は環境が悪かった。
中国でEコマースが発展したのは、中国のビジネス環境が悪かったことが背景にあったといえる。

ブランドとは

中国語で「ブランド」のことを「品牌」と書きます。
私の考えでは、真の意味でのブランドとは「品牌」を構成している2つの漢字「品」と「牌」の
両方を兼ね備えているものでなければならないと思います。
「品」は品質、あるいは品格。
「牌」は看板、要するに知名度です。

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