「早い」と「速い」の違い

「早い」と「速い」は意味が違う

「早い」は、ある基準の時間よりも前の時点でものごとが行われることを意味します。
「速い」は、一定の時間の中で多くの動作が行われることを意味します。

つまり、時間の経過については「早い」動作や進行の速度については「速い」を使います。
意味の違いは、理解できましたか。

「早い」と「速い」の例文

それでは、いくつか例文を紹介します。

・従妹は私より3年早く生まれました。
・約束の時間より、1時間も早く到着しました。
・部活の早朝練習の為、いつもより早く家を出ます。

・彼は中学生の頃、足がとても速くみんなの憧れでした。
・今年の新入社員は、仕事をマスターするのが速いです。
・佐々木朗希投手のストレート球の速さは、球界トップクラスです。

文章で表現すると、少しはわかりやすいですね。

ところが、意外と使い分けが難しい用語があるんです。
説明いたします。

 仕事が早い ⇒ 仕事が予定時間よりもはやく終わる。 
 仕事が速い ⇒ 仕事の処理のスピードがはやい。

 早い電車  ⇒ 始発など早朝に出る電車。
 速い電車  ⇒ 新幹線や快速などスピードの出る電車。

 早く乾かす ⇒ 早朝に乾かす。
 速く乾かす ⇒ 乾燥機を利用して素早く乾かす。

 足が早い  ⇒ 傷みやすい食べ物に対して鮮度の落ちるのがはやい。
 足が速い  ⇒ 歩いたり走ったりする速度がはやい。

 対応が早い ⇒ 予想していたよりはやく対応ができる。 
 対応が速い ⇒ テキパキとした対応。

なんとも紛らわしいですね。

使い分けの判断は、早い:ある基準より時間が前か
         速い:一定時間内の動作の多さ

つまり、時間と動作のどちらについて表現されているかによります。