アレキサンダー・ポープの略歴

アレキサンダー・ポープ(Alexander Pope,1688年5月21日 – 1744年5月30日)はイギリスの詩人。父はカトリック教徒のリンネル商。
生来虚弱で学校教育を受けず、独学で古典に親しみ、幼少の頃から詩作を試みた。詩集『牧歌』(Pastorals, 1709年)は16歳の時の作という。『批評論』(An essay on criticism, 1711年)は簡潔な格言風の韻文で書かれた詩論で、当時の上流階級には好評を博した。ホメロスの『イーリアス』を1715年から1720年に、『オデュッセイア』を1725年から1726年にかけて翻訳し、予約者が訳者に6ギニーずつを支払って、出版業者が無償で本を作者に提供し、作者がそれを予約者に渡すという販売法でポープは経済上の独立を得た。同じく1725年に『シェイクスピア全集』を出版、編者としての本文校訂は学問的批判を免れなかったものの、序文では作品をゴシック建築に比して古典主義法則に拘束されずに評価した。
技巧と絶えざる彫琢を旨とする古典主義詩人の典型で、簡潔かつ流麗なヒロイック・カプレット(heroic couplet, 弱強五歩格二行聯句)を完成。その名句はシェイクスピアに次いでしばしば引用された。ポープの本領は諷刺詩(Satire)にあり、『髪盗人』はその傑作ともいわれる。その分野では『アーバスノットに与える書』『エピローグ』『ホラティウスに倣いて』も永続すべき業績であると文学史家のレズリー・スティーヴンは述べている。評論としては『愚物列伝』(The Dunciad, 1728年 – 1742年)、『人間論』(An essay on man, 1732年 – 1734年)があり、後者は友人のボリングブルック(en)から学んだ理神論を韻文にしたものであった。

アレキサンダー・ポープの名言・座右の銘

自分の体は曲がって醜いが、作る詩は真っ直ぐで美しいのだ。


希望は永久に人間の胸に湧く。人間はいつでも、現在幸福であることはなく、いつもこれから幸福になるのだ。